
昨今企業は様々な社内システムやインターネットを介したシステムを利用し膨大なデータを蓄積しています。もしそのデータが失われてしまったら事業継続に甚大な影響を及ぼすことになります。BCP(事業継続計画)やDR(災害復旧)の観点からもバックアップの重要性やツールについて説明してゆきたいと思います。
Contents
1.データ損失の主な要因
データ損失には下記のような要因があげられます。
1-1.人的要因
利用者の不注意によるデータの削除や上書き、意図しないファイル移動やファイル名 変更などのヒューマンエラーによるデータ損失が一番多く見受けられます。
1-2.災害
東日本大震災などを例とした地震や潮水、火災による消失や盗難なども含みます。
1-3.ハードウェアやソフトウェアの障害
ハードウェアの物理的な障害や劣化、ソフトウェアのバグによるシステム停止などがあげられます。
1-4.犯罪によるデータ損失
データ持出しによる損失や不正侵入による改ざんなど犯罪行為によってデータが失われます。
1-5.ウイルス感染
最近ではランサムウェア感染によりデータが勝手に暗号化され業務がストップしてしまう事案が多発しています。
2. バックアップの基礎知識
バックアップツールをご案内する前にバックアップの基礎知識を紹介いたします。
2-1.バックアップ対象
・ファイルバックアップ
ファイル単位でバックアップを取得する昔から行われている手法です。OSの標準機能で出来るメリットはありますが、フルリストアの場合、OSの再インストールやアプリケーションの再インストールが必要な場合もあり復旧までに時間がかかります。
・イメージバックアップ
ハードディスク全体を丸ごとバックアップする手法です。データはもちろんのこと OSやアプリケーションをすべてバックアップすることによりフルリストアの場合でもOSを再インストールすることなく復旧することができます。
2-2.バックアップ方法
・フルバックアップ
すべてのバックアップを取得することをフルバックアップと言います。リストアの際には完全に元の状態と同じになりますがバックアップに非常に時間がかかります。
・差分バックアップ
前回のフルバックアップから更新されたデータのみバックアップを取得します。フルバックアップと差分バックアップで完全に元の状態に戻ります。
・増分バックアップ
差分バックアップとの違いは初回のフルバックアップ取得は同じですが前回の変更点をバックアップします。前回バックアップ後の変更点なので容量や時間は少なくすみますがフルリストアをする場合は1回目の増分、2回目の増分と重ねてリストアしていく手間が増えます。
3. バックアップツール4選
ここからは、弊社で販売、サポート可能なバックアップツールをご紹介します。それぞれ特徴が異なりますので、自社の導入の目的に合った製品を確認してみてください。
3-1.Arcserve UDP
システム全体を丸ごとイメージバックアップし、フォルダやファイル単位でも簡単にリストアできます。仮想サーバのエージェントレスバックアップや遠隔地、クラウドへの自動転送も可能で重複排除率も優秀なのでバックアップデータの増加でお悩みの方にも関心を持っていただけるツールです。
ソフトウェア標準機能の復旧ポイントサーバ(RPS)を構築することで効率的なバックアップ環境が実現できます。
Arcserve UDP製品サイト
https://www.arcserve.com/jp/data-protection-solutions/arcserve-udp/
3-2. Acronis Backup
システム全体のイメージバックアップやファイル、フォルダ等のバックアップにも対応しており、オンプレミスのバックアップの他にクラウドバックアップにも対応しています。ローカルとクラウドにバックアップをとるハイブリッドバックアップも可能です。
Acronis Backup製品サイト
https://www.acronis.com/ja-jp/business/backup/
3-3. Barracuda Backup(アプライアンス製品)
Box To Cloud のバックアップが簡単に構築できるアプライアンス製品です。遠隔地バックアップ先となるクラウド拠点は日本国内のデータセンターを利用しており、ファシリティスタンダードの最高基準「ティア4」ないし「ティア3」準拠なのでセキュリティも万全です。昨今のランサムウェアに関しましてもバックアップデータは独自暗号化技術で保存されているため感染することはありません。
Barracuda Backup製品サイト
https://www.barracuda.co.jp/products/backup/
3-4. Microsoft Azure Backup
Azure BackupはMicrosoftが提供するバックアップサービスです。Azure Virtual Machine(クラウド環境)をAgentレスでバックアップできるほか、オンプレミス環境や仮想マシン環境にも対応しています。Azureはデータセンターの設置地域も多く、多重にバックアップを取ることも可能な為、大規模災害にも強い利点があります。
Microsoft Azure Backup 製品紹介サイト
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/backup/backup-overview
4. まとめ
データ損失の原因からバックアップの基礎知識、当社のお勧めするバックアップツールまで解説しました。システム復旧までのリードタイムや保管場所、さらにはウイルス、セキュリティ対策まで自社にあったバックアップソフトを検討し導入してみてはいかがでしょうか。